ペットが亡くなったら死亡届は必要?手続きと届け出の流れを解説

愛するペットが旅立ったとき、深い悲しみの中で、何をすればよいのか分からなくなる飼い主様も多いことでしょう。
お別れの直後は動揺してしまうものですが、飼い主様として最後に行うべき手続きもあります。この記事では、ペットが亡くなった際の「死亡届」の必要性や、具体的な手続きの流れ、さらにお見送りのために準備しておくべきことについて、詳しく解説します。

目次

ペットが亡くなったときに必要な手続きとは

大切なペットが亡くなったとき、私たち人間の場合と同じように「死亡届」の提出が必要になるケースがあります。

ただし、これは飼育しているすべてのペットに義務付けられているわけではありません。手続きの要否は、ペットの種類によって異なります。例えば、犬の場合は法律に基づく届け出が必要ですが、猫や小動物の場合は原則として不要です。

ご家族であるペットとのお別れに際しては、まずご自身が飼育していたペットに死亡届が必要かどうかを確認することが最初の一歩です。法的な手続きが必要な場合は、期限内に対応することで、飼い主様としての最後の責任を果たすことにつながります。

死亡届が必要なペットと不要なペットの違い

ペットの死亡届が必要かどうかは、主にその動物が法律によって登録を義務付けられているかどうかで決まります。ここでは、届け出が必要なケースと不要なケースをそれぞれ見ていきましょう。

死亡届が必要なケース

犬は「狂犬病予防法」という法律に基づき、お住まいの市区町村への登録と、年に1回の狂犬病予防接種が義務付けられています。亡くなった場合は、この「登録」を抹消するために「死亡届」を提出しなければなりません。

ほかにも、ワニ、サル、タカなど、人の生命や身体に危害を及ぼすおそれがあるとして、環境省から指定された「特定動物」も飼育には許可が必要です。

これらの届け出は、原則としてペットが死亡してから30日以内に行う必要があります。

死亡届が不要なケース

猫やうさぎ、ハムスター、インコといった多くの小動物には、犬のような法律に基づく登録制度がありません。そのため、亡くなった際に市区町村へ死亡届を提出する法的な義務もありません。

ただし、これらのペットにマイクロチップを装着して、環境省のデータベースなどに情報を登録している場合は注意が必要です。登録情報をそのままにしておくと、データが消去されずに残ってしまうため、抹消手続きを行う必要があります。

死亡届の提出先と必要書類

愛犬などが亡くなった場合は、上で説明した通り「死亡届」の提出が必要です。ここでは、提出の方法と必要書類、注意点について説明します。

提出先と提出方法

死亡届は、ペットの登録を行った自治体で手続きを進めます。地域によって担当窓口は異なりますが、多くは保健所や、市区町村内の各担当部署(環境課やくらし衛生課など、名称は自治体によって異なります)が対応します。

申請方法も自治体によって異なります。従来の「窓口」での提出のほか、「郵送」での受付や、近年ではインターネットを通じた「電子申請」が可能な自治体も増えています。詳細は、お住まいの自治体のホームページなどで確認してみましょう。

必要な書類

届け出には、以下の書類が必要です。

  • 死亡届
  • 犬の鑑札
  • 狂犬病予防注射済票

死亡届の用紙は自治体の窓口で受け取るか、自治体のホームページからダウンロードして使用しましょう。電子申請の場合は、パソコンなどを使い、専用フォームに直接入力します。犬の鑑札や狂犬病予防注射済票を紛失した場合は、自治体の窓口で相談しましょう。

マイクロチップを登録している場合は、市区町村への届出とは別に、指定登録機関へ死亡による登録抹消申請も行います。

※練馬区の場合、こちらから死亡届を出すことができます。但し、環境庁のデータベースに登録している場合は届け出は不要になります。

死亡届を出さないとどうなる?

愛犬の死亡届を提出しないと登録が残ったままになるため、自治体から狂犬病予防接種の案内が毎年届いてしまいます。案内が届くたびに、飼い主様はつらいお別れを思い出してしまうかもしれません。また、案内を無視し続けると、自治体からの催促や確認の連絡が入ることもあります。

加えて、死亡届の提出は狂犬病予防法で定められた義務であるため、提出しないままでいると、法律違反として、20万円以下の罰金が科されることもあります。

何よりも、こうした法的な手続きをきちんと済ませることは、大切な家族の一員だったペットに対して、飼い主様として果たすべき最後の責任です。愛するペットときちんとお別れするためにも、死亡届は必ず提出しましょう。

死亡届以外に必要な手続き・準備

ペットが亡くなった際は、死亡届のほかにも、いくつかの手続きや準備が必要になる場合があります。

ペット保険の解約や給付申請

ペット保険に加入していた場合は、保険会社への連絡が必要です。死亡による解約手続きのほか、プランによっては死亡保険金が給付されるケースもあります。

その際、保険会社から「死亡診断書」(動物病院で亡くなった場合)や、ペット火葬業者が発行する「火葬領収書」や「死亡証明書」などの提出を求められることがあります。火葬業者を利用した際は、領収書などを必ず保管しておきましょう。

火葬・供養の依頼

死亡届などの手続きと並行して、ペットの火葬・供養の準備も進める必要があります。まずはペット葬儀社に連絡して、飼い主様の想いに合った方法を相談しましょう。

ペット火葬には、主に3つの種類があります。

  • 合同火葬:他のペットたちと一緒に火葬する方法。遺骨は返却されず、共同墓地や合同供養塔に納骨されるのが一般的です。
  • 個別一任火葬:葬儀社スタッフが個別に火葬を行い、飼い主様へ遺骨を返却する方法。仕事などで立ち会う時間がない場合に選ばれています。
  • 個別立会火葬:ご家族が立ち会いのもと、火葬からお骨上げまでを見届ける方法。人のお葬式に最も近い形で、最後まで寄り添ってお別れができます。

どのようにお見送りしたいか、ご家族の希望やご都合に合わせて、納得のいくプランを選ぶことが大切です。

手続きを通して、愛するペットへの想いをかたちに

ペットの死亡届を提出することは、飼い主様が「命を見守る責任」を果たすための大切な手続きです。深い悲しみの中で事務的な手続きを進めるのはつらいことですが、一つひとつ丁寧に済ませていくことで、飼い主としての責任を果たし、ご自身の気持ちに区切りをつけていくことができるでしょう。

SEE YOU AGAINでは、出張火葬や自宅でのお別れを通じて、飼い主様の想いを大切にしながら、心温まるお見送りをサポートしています。この記事が、ペットとのお別れを迎える方のお役に立てれば幸いです。

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この記事を書いた人

ペット火葬・出張火葬専門シーユーアゲイン編集部です。大切な家族であるペットに最後にしてあげられる火葬、葬儀について情報発信していきます。残念ながら死は誰にも訪れます。突然訪れることもあります。最後の最後に後悔しないよう「今できること」を一緒に考えていければと思います。

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