かけがえのない存在であるペットが旅立ったあと、深い悲しみの中で「何かしてあげたいけれど、何をすればいいのかわからない…」と感じる飼い主様は少なくありません。
この記事では、ペットが旅立ってから49日までの過ごし方や具体的な供養の方法、そして何よりも大切な飼い主様ご自身の心のケアについてご紹介します。愛するペット、穏やかなお気持ちで偲ぶためのお役に立てれば幸いです。
ペットの「49日」が持つ意味とは?
ペットが旅立った後によく耳にする「49日」。この期間がなぜ大切にされているのか、その意味を知ることで、より心を込めて供養の時間を過ごすことができます。
仏教における49日の意味
仏教では、亡くなった方の魂は49日間、この世とあの世の間を彷徨い、7日ごとに審判を受け、49日目になると次の行き先が決まると考えられています。この期間を「中陰(ちゅういん)」と呼び、遺された家族は故人が安らかに旅立てるよう祈ります。
ペットの場合には宗教的な決まりがあるわけではありませんが、人間と同じく大切な家族の一員として、次の生へと無事に旅立つまでの大切な準備期間だと考える飼い主様も多くいらっしゃいます。
飼い主様の心の区切りとしての49日
ペット供養における49日は、何よりもまず、遺された飼い主様の心の整理をつけるための大切な期間です。無理に日常に戻ろうと急ぐ必要はありません。
この49日間は、愛するペットと過ごした幸せな日々をゆっくりと思い出し、「ありがとう」の気持ちを伝えるための時間です。ご自身のペースで、少しずつ悲しみと向き合っていきましょう。
49日までにしてあげられる具体的な供養
「あの子のために何ができるだろう」そのお気持ちこそが、何よりの供養です。ここでは、ご自宅でできる具体的な供養の方法をご紹介します。
- 安らげる祈りの空間をつくる
- 毎日のお供え物で想いを伝える
- 日々の語りかけを大切にする
安らげる祈りの空間をつくる
必ずしも立派な仏壇を用意する必要はありません。大切なのは、心を込めて祈りを捧げられる場所です。例えば、生前のペットがくつろいでいたリビングの一角や、ご家族の目にとまりやすい場所に、小さなメモリアルコーナーを作ってみてはいかがでしょうか。
お気に入りの写真を中心に、生前使っていた首輪やおもちゃ、おやつなどを飾り、ささやかな祈りの空間を作ってあげましょう。ご遺骨を手元に置かれる場合は、骨壷が冷たく感じないように、温かみのある布や可愛らしい骨壷カバーで包んであげるのもよいでしょう。いつでも愛するペットに語りかけられる、安らぎの場所となるはずです。
毎日のお供え物で想いを伝える
お供えの基本は新鮮なお水です。それに加えて、生前に大好きだったペットフードやおやつも供えてあげましょう。毎日新しいものに替えてあげることで、「あなたのことを忘れていないよ」というメッセージになります。
その他にも、季節の果物やお花を飾るのも素敵です。お水やお花などのお供え物は、こまめに取り換えて、空間を清潔に保ちましょう。何よりも、「あの子が喜んでくれるかな」と想う気持ちを大切にしてください。
日々の語りかけを大切にする
特別な儀式をしなくても、日常の中での語りかけが一番の供養になります。朝起きた時の「おはよう」、出かける前の「いってきます」、そして眠る前の「おやすみ」。生前と変わらない挨拶を続けることで、愛するペットの存在を身近に感じることができるでしょう。
楽しかった日の思い出を話したり、感謝の気持ちを伝えたりする時間も大切にしてください。「今日はこんなことがあったよ」と話しかけることは、ペットへの供養になるだけでなく、不思議と飼い主様ご自身の心を落ち着かせる効果もあります。

飼い主様ご自身の心をいたわる過ごし方
ペットを亡くした悲しみは、経験した人にしかわからないほど深く、辛いものです。亡くなったペットを想うのと同じくらい、ご自身の心のケアも大切にしてください。
「悲しい」という感情を肯定する
ペットという大切な家族を失うことは、誰にとっても悲しい出来事です。無理に元気を出そうとしたり、悲しみに蓋をしたりする必要はありません。泣きたいときには、我慢せずに涙を流しましょう。ご家族や友人に話を聞いてもらうだけでも、少し心が軽くなるかもしれません。
思い出を「力」に変えるアクション
辛いかもしれませんが、写真や動画を見返してみるのも一つの方法です。そこに映る楽しそうな姿は、悲しみだけでなく、温かい気持ちも運んできてくれるはずです。お気に入りの写真でフォトブックを作ったり、メモリアルグッズを作ったりするのも、気持ちの整理に役立ちます。また、SNSなどで同じ経験を持つ人々と繋がり、気持ちを分かち合うことで、孤独感が和らぐこともあります。
ご自身の心と身体を休ませる時間も必要
深い悲しみから、食事が喉を通らなかったり、夜眠れなくなったりすることもあるかもしれません。そんな時は、無理せず少しでも口にできるものを食べ、身体を休めることを優先してください。愛するペットも、あなたが健やかでいることを一番に願っているはずです。
少し気分転換に散歩に出かけたり、趣味の時間を持つのも良いでしょう。どうしても辛さが続く場合は、ペットロスに対応しているカウンセリングなど、専門家の力を借りるという選択肢もあります。
ペットの49日の迎え方
49日が近づいてくると、法要や納骨について考え始める方もいらっしゃるでしょう。ここでは、節目の日をどのように迎えるのが良いか、ヒントとなる考え方を紹介します。
49日法要は行うべき?
人間の法要とは異なり、ペットの49日法要に決まった形式やルールはありません。最も大切なのは、飼い主様の「供養したい」というお気持ちです。僧侶を呼んで読経してもらうこともできますし、ご家族だけで静かに思い出を語り合う時間を過ごすのも、立派な法要です。いつもより少し豪華なお花やおやつをお供えして、感謝を伝えるだけでも十分です。
納骨を考えるタイミングに
49日を心の区切りとして、このタイミングで納骨を検討される方も多くいらっしゃいます。納骨の方法もさまざまで、ペット霊園やお寺の納骨堂に預ける、プランター葬や樹木葬、お庭への埋葬をする、あるいはご遺骨の一部をアクセサリーなどにして手元に残す「手元供養」といった選択肢もあります。すぐに決める必要はありませんので、ご家族でゆっくりと話し合い、皆様が納得できる方法を選んでください。
まとめ|ペットとの49日を有意義に過ごす
ペットが旅立ってから49日までの過ごし方に、たった一つの「正解」はありません。ご紹介した供養はあくまで一例であり、一番大切なのは、亡きペットを想い、たくさんの愛情と幸せな時間をくれたことに感謝する気持ちです。愛するペットがくれた温かい思い出は、これからも飼い主様の心の中で輝き続けるでしょう。
私たち「SEE YOU AGAIN」は、飼い主様一人ひとりのお気持ちに寄り添い、心を込めたお見送りのお手伝いをさせていただきます。ご供養について、どんな些細なことでも構いませんので、どうぞお気軽にご相談ください。

