「できるだけ早く、きれいな姿のまま見送ってあげたい」。大切なペットが旅立ったとき、多くの飼い主様がそう願うことでしょう。しかし、突然の別れに動揺し、何から手をつければ良いのか分からないというのも正直な気持ちだと思います。
結論からお伝えすると、ペットの火葬は、業者の空き状況次第で亡くなったその日に行うことが可能です。人間の火葬とは異なり、法律上の時間の制約もありません。
この記事では、即日火葬のメリット・デメリットや、季節ごとのご遺体の安置方法、依頼先の選択肢や費用相場など、後悔のないお別れのために必要な情報を幅広く解説します。
まずは心を落ち着けて。火葬の前にすべきこと
ペットが亡くなった直後は、悲しみで冷静な判断が難しいかもしれません。しかし、まずは深呼吸をして、ペットのために最後にできることから始めましょう。
体を清め、安らかな姿勢に整える
ペットが亡くなると、通常2〜3時間ほどで死後硬直が始まります。硬直が始まる前に、前足と後足を胸の方へ優しく曲げて、眠っているような自然な姿勢に整えてあげてください。
お湯で湿らせた柔らかい布で全身を優しく拭き、毛並みを整えてあげましょう。これは、最後の身だしなみを整えるという、愛情のこもった大切な儀式です。
ご遺体の冷却と安置のポイント
ご遺体の腐敗を防ぐためには、体を冷やしてあげることが最も重要です。特に、季節ごとに以下の点に注意してください。
夏場 | 気温が高く腐敗が早く進むため、エアコンをつけた涼しい部屋(20℃以下推奨)で安置します。保冷剤やドライアイスをタオルで包み、特にお腹周りを中心に当て、2~3時間ごとにこまめに交換してください。 |
冬場 | 涼しい場所であれば急激な腐敗は進みませんが、暖房の効いた部屋は避けてください。夏場と同様に、保冷剤などで冷却することをおすすめします。 |
段ボール箱にペットシーツとタオルを敷き、そこへご遺体を安置します。お気に入りだったブランケットがあれば、それで優しく包んであげるのもよいでしょう。
即日火葬のメリットと、後悔しないための注意点
即日火葬には良い面もあれば、慎重に考えるべき点もあります。両方を理解したうえで、ご自身にとって最良の選択をしてください。
即日火葬のメリット
即日火葬なら、ご遺体が傷む前に見送ることができます。美しい姿で旅立たせてあげたいという想いは、ペットへの愛情の表れです。
また、また、飼い主様のご都合に合わせやすい点もメリットです。仕事の都合などで翌日以降に時間を取れない場合でも、24時間対応の業者なら夜間や早朝に対応してもらえる可能性があります。
即日火葬を慌てて決める前に
突然の別れで気持ちが動揺している中、急いで火葬すると「もっとお別れの時間を取ればよかった」と後悔につながることがあります。たとえ数時間でも、亡くなったペットとゆっくりと向き合う時間を持ちましょう。
もし遠方に住む家族がいるなら、火葬のタイミングは慎重に決める必要があります。ご家族皆で見送ることも、大切な癒しの時間となります。
即日火葬の依頼先と流れ
即日火葬を希望される場合、どこに依頼し、どのような流れで進むのかを事前に把握しておくことで、スムーズなお別れが可能になります。
依頼先の選択肢
まずは以下の選択肢から、飼い主様にとって最適な依頼先を選びましょう。
訪問火葬サービス | 24時間対応の業者が多く、最も柔軟に即日対応しやすい選択肢です。火葬車が自宅まで来てくれるため、住み慣れた場所でお別れができます。 |
ペット葬儀社・霊園 | 24時間電話受付の施設もありますが、当日の火葬枠が埋まっている場合も多いため、事前の電話確認が必須です。 |
自治体 | 費用は安いものの、他の動物との合同火葬となり、返骨されないことがほとんどです。即日対応が難しい場合もあるため、丁寧なお別れを希望される場合は民間業者をおすすめします。 |
依頼からご返骨までの流れ
業者やプランによって異なりますが、ここでは即日火葬の依頼からご返骨までの一般的な流れをご紹介します。
- 日時の確認
依頼先を決め、電話で即日火葬が可能か、空き時間を確認します。その際、ペットの種類や体重を正確に伝えましょう。
- プランの決定
合同火葬、一任個別火葬、立会い個別火葬など、ご希望のお別れの形を選びます。
- お別れの準備
棺に一緒に入れたいお花やお手紙、少量のおやつなどを用意します。
- お別れの儀式と火葬
スタッフの案内に従い、最後のお別れを行います。火葬時間はペットの大きさにより約1時間から2時間程度です。
- お骨上げ・ご返骨
個別火葬の場合は、火葬後にお骨上げを行い、骨壷を受け取ります。
ペットの大きさとプランで決まる火葬費用
ペット火葬の費用は、主に「ペットの体重」と「火葬プラン」の組み合わせによって決まります。納得のいくお見送りのためにも、費用の相場を把握しておきましょう。
体重別の区分
火葬料金は、ペットの体が大きいほど高くなる傾向があります。以下は、体重別の区分例です。
区分 | ペットの種類 |
---|---|
小動物(〜2kg未満) | ハムスター、インコ、フェレットなど |
小型(2kg〜10kg未満) | 猫、チワワ、トイプードル、ミニチュアダックスフンドなど |
中型(10kg〜20kg未満) | 柴犬、コーギー、ビーグルなど |
大型(20kg以上) | ゴールデンレトリバー、ラブラドールレトリバーなど |
火葬プラン別の費用目安
お別れの形によって、ペット火葬の費用は大きく異なります。以下は一般的な料金相場です。
プラン | 内容 | 費用相場 |
---|---|---|
合同火葬 | 他のペットと一緒に火葬・返骨なし | 約7,000円~ |
一任個別火葬 | スタッフに一任・返骨あり | 約15,000円~ |
立会い個別火葬 | 家族立会い・お骨上げあり | 約20,000円~ |
※深夜・早朝料金や、訪問火葬の場合は出張費が別途かかる場合があります。総額の見積もりを必ず確認してください。
当社での費用はこちらになります。
即日火葬を依頼する際のポイント
即日火葬の依頼のしやすさは、お住まいの地域によって異なります。
都市部(東京、大阪、福岡など)にお住まいの場合
都市部はペット葬儀社の数が多く、24時間対応の訪問火葬サービスを見つけやすい環境です。選択肢が多い分、複数の業者を比較検討しやすいでしょう。
ただし、都市部特有の交通渋滞により、訪問火葬車の到着に予想以上の時間がかかる可能性もあります。
郊外・地方にお住まいの場合
業者の数が少なく、即日対応可能な葬儀社を自由に選べない場合もあります。まずは近隣のペット霊園や葬儀社に直接電話で問い合わせ、即日対応の可否を確認しましょう。
訪問火葬を依頼する場合は、対応エリア内かどうか、また出張費用がどのくらいかかるかを必ず確認してください。遠方からの出張となる場合は、追加料金が高額になることがあります。

まとめ|心から「良かった」と思える即日火葬を
ペットの即日火葬は、ご遺体をきれいな状態で見送れるという大きなメリットがある一方で、心の整理がつかないままお別れすることになる可能性もあります。どちらを選ぶかに正解はありません。
最も大切なのは、飼い主様ご自身が「この形で見送ってあげられて良かった」と心から思えることです。
この記事を参考に、ご自身の気持ちやご家族の状況と向き合い、後悔のない最良のお別れの形を見つけていただければ幸いです。愛するペットが安らかに旅立てることを心よりお祈り申し上げます。